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小学校にグランドピアノ寄贈 芳賀町の元教諭

 芳賀町祖母井の元小学校教諭、手塚幸子さん(90)が、自宅近くの町立芳賀東小学校にグランドピアノを寄贈し、8日、同校音楽室で贈呈式が行われた。「生涯一教育者」を自認する手塚さん。「コツコツためたお金を子供たちのために使いたい」と寄贈を思いついた。15日には同型のピアノが生まれ故郷の母校、益子町立七井小にも贈られる。 手塚さんは、1950年から芳賀町を中心に57歳まで教べんを執った。芳賀東小(旧祖母井小)は教員生活の振り出しの思い出深い学校。国語科が専門だったが、音楽主任なども務め、合唱や器楽合奏の指導をした。退職後には同町や真岡市などでフォークダンス教室を主宰。自らの戦争体験を語り継ぐ活動も行い、母校の県立真岡女子高の同窓会長も務めるなど、様々な活動を精力的に行ってきた。

 ピアノを贈ろうと思ったのは、昨年のクリスマスの頃。「90歳になり、プレゼントを贈り合う知人や、お金の使い道も少なくなった。生かされていることに感謝し、公のために何かをプレゼントしよう」と考えた。何をどこに贈るかと思い巡らした時、戦前、戦中の情け容赦ない時代を生きてきた自分の歩みを振り返り、「美しい心を育て、心を豊かにしてくれたのが音楽。あのころ憧れだったグランドピアノを贈ろう」と決めたという。

 寄贈の提案を受けた芳賀東小にはグランドピアノが3台あるが、「寄贈されるのはグレードが高いピアノ。音楽の授業や部活でパート練習するのにも複数あれば、うれしい」と歓迎した。