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免許取り消しの「取り消し」命じる判決…不起訴になったひき逃げでの処分は違法認定

 不起訴となった道路交通法違反(ひき逃げ)を理由に茨城県公安委員会から運転免許を取り消されたとして、同県鉾田市の女性(25)が、県に処分の取り消しを求めた訴訟で、水戸地裁(広沢諭裁判長)は10日、「女性のひき逃げは認められない」と原告の訴えを認め、県側に処分の取り消しを命じた。

水戸地方裁判所
 判決によると、女性は2019年6月10日夜、つくば市内で横断歩道を渡っていた歩行者をひき逃げしたとして、20年1月に県警に書類送検された。土浦区検は同5月、女性を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)で略式起訴し、ひき逃げは不起訴としていた。一方、県公安委員会は同月、ひき逃げなどを理由に免許の取り消し処分としていた。


 女性は事故時、歩行者と衝突した認識がなかったと主張。広沢裁判長は、女性が事故直後に友人と近況報告の電話をしたり、コンビニ店の駐車場で仮眠したりしたことなども挙げ、「刑事処分の内容を踏まえても、衝突したとの認識があったとは認められない」とした。その上で、処分の前提となるひき逃げが成立せず、免許取り消しは違法とした。

 県警監察室は「判決文が届き次第、内容を精査して対応したい」とコメントした。